2021-03-19

場所と仲良くなる


ヴァイオリンの先生が転居され、先日新しいお家へレッスに行きました。
お部屋が変わった以外はこれまでと同じはずですが、目に写るもの、音の聞こえ方などは当然ながら今までとは違います。そんなことぐらい…と思っても、人の感覚は自覚できない繊細なもののようで、居心地悪そうなボーイングをしていると言われました。
その日は部屋に慣れるためにとにかく音を出して安心するようにとのことで、自覚が無いわたしは不思議な気がしながらも、一通り弾いたらなんだか安心しました(笑)。

転居される前に、空っぽになった今までお世話になったお部屋を見せていただきましたが、そこはこれまでとは違う普通の部屋になっていました。それまでは、わたしにとっては濃密な空気感のある素敵な場所だったのです。正確に言えば転居が決まる前までは。お引っ越しの準備が少し始まっただけなのに、これまでのお部屋ではなくなったと感じました。防音のための隙間テープを剥がしたことで密閉性が薄れたからとも言えますが、それだけではなく、お部屋がそっけない印象になりました。

わたしはなんとなく、場所にも意識のようなものがあると思っています。お引っ越しの準備が少しでも始まった時、自分のレッスン室としての役目は終わったのだと思ったのかな。それまではあたたかく包まれているような感覚があったのです。お部屋の様子が変化して初めてそれに気がつきました。

今度からの新しいお部屋では、まだそのあたたかい雰囲気は感じませんでした。場所が変わったのでこれまでとは違ったキャラ?になるのかもしれません。濃密というよりはもう少し軽さ・薄さを感じました。鉄筋と木造の違いのせいもあるかもしれません。お部屋はレッスン室になってまだ日が浅いのでレッスン室としての自覚が芽生え始めたところかも。レッスンに通って時間を過ごすうちに、また素敵な場所になっていくのでしょう。

新しいお宅の玄関の横に椿が花をつけていました。これからどうぞよろしくね。

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