2021-04-11

胸を緩める

ヴァイオリンの練習をいつも以上に熱心にやったつもりはないのに、手に力が入り過ぎていたのか、少し前に左手が珍しく腱鞘炎のような感じになり、先日のレッスンは力を緩めることを重点的にやりました。

誰でもそうだとは思いますが、気持ちの状態がすぐに体に反映されて、うまくできないとか心配や緊張があると緩みません。それがそのまま音になってしまう。もっと安心して息を吐いてゆったりとした気持ちで弾けば、雑音の少ない豊かな響きの音になります。

その場ですぐにはできなくても、言われたことを家に持ち帰り「太い水道管でダバダバ水を流す」のをイメージして弾いたら、今までとは違う感覚になりました。気持ちがキュッとしていなくて緩まっている。ん?気持ちではなく胸が広がっているような感じがする。

今まで、ヴァイオリンを弾く時には無意識のうちに胸にギュッと力が入っていて、響きを押さえていたのかもしれません。胸に力を入れない、慣れなくてちょっと不思議なこの感じは、初めての感覚です。もともとヴァイオリンを弾く時には切ないような気持ちがあり、気持ちと体が一体化しやすいわたしは、だから胸にギュッと力が入っていたのでしょう。どうして切ない気持ちになるのか、いろいろな理由や物語をくっつけることはできるかもしれないけれど、今はそれにあまり意味を感じません。ただそうなっていたということ。

胸が楽な不思議な感じで弾くと、これまでよりも落ち着きのある広い音になります。自分の身体の感覚と出てくる音を結びつけることがまだできなくて違和感はありますが、これが新しいわたしの音になるのだな。これからはもうこの音と、この楽な気持ちを選びます。こんな日は静かに、でも急にやってくるものなのだなぁ。

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